Pyua love ~そして真実~
「あ・・・違ッ」

「うん そうだよね? 僕の話しを聞いてくれる?」

少し困った顔で笑った坂上君は、向こうの世界での出来事を語りだした。

異世界のシモンド王国の世界のこと

弟との再会

シモンド国王の企み

そして、王権の交代・・・。

普通に、なんの変哲も無い高校生活を送っていた私とは、いろんな意味で別世界の話しだった。

普通な私が・・・坂上君の隣にいてなんかダメだと、思うのに充分過ぎる話しだった。

「それで、僕が戻ってきた一番の理由はね?」

そう、私はそれが知りたい。

坂上君が姿勢を整えて、私の方へと向き直った。

長い沈黙


そんなにも重要な何かが、この世界にあるのだろうか。

それは、きっと・・・シモンドという会社の為。

それ以外に、自分の故郷や地位を捨ててまで、こちらに戻ってくる理由が分からない。







「外山さんがいるから」




え?

私?

「そ・・・そんな・・・私のために国を・・・地位を捨てたってこと?」

「違う。 僕は、僕の為に選択をしたんだ。

僕が、外山さんのいるこの世界で生きてみたくなったんだよ」

一度諦めようとした思いは、意図も簡単に引き戻される。

坂上君の一言は、私の心に響いた。

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