Pyua love ～そして真実～
僕は、弓矢を地面に置くと女の子へと近寄った。

幸い、彼女は逃げたりはしなかった。



「何処からきたの？」



僕は、彼女に問いかけるけど、彼女は泣くばかり。
僕は、彼女の頭をポンポンっと撫でた。


僕の行動に少しずつ涙が止まっていく彼女に僕は問いかける。


「君は何処から来たの？」
「トーキョー」

そんな地名も国も聞いたことが無かった。

「大丈夫？」
「・・・うん。」

良かった！泣き止んだ！
僕は嬉しくなった。

彼女はようやく泣き止むと、僕を見て何故か顔を赤らめる。


「勝手に行ってしまわれたら困ります！！」



森から僕の側近の二人が現れた。
その手には、大きな弓矢が握られている。

突然走り出して姿を消した僕を探し回ったのだろう。



「ごめんなさい。獲物に逃げられちゃった！でも・・・」



僕は、少女に視線を送る。



「おや？迷子ですか？」
「こんな森の奥で？」

側近の男二人は、彼女に近づく。



「黒髪？どうやら、ホントに迷い子のようですね・・・。」
「たまにいるんですよね・・・誰かの痕跡から偶然こちらに来てしまう者が」



誰かの痕跡



それは、誰かがこの場所で次元空間移動の魔法を使ったということ。



普通は、魔法を使用した本人だけが移動するのだけど、たまにその魔法の効力が残っていて、偶然そこに居合わせた人までこうやって巻き込まれてしまうんだそうだ。

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