Pyua love ～そして真実～
「とりあえず元の場所に返しましょう」
「わたし達に発見されたのは、運がよかった」

確かにこんな森の中では、獣に襲われたりしてもおかしくはなかった。



側近達はそういうと、地面に円形の魔方陣を描く。
そして、彼女をその真ん中に立たせた。


「もう、こっちに来るなよ？」


コクン・・・小さく頷く少女。

僕は、首からかけているペンダントを彼女の首にかける。

「またこっちに迷い込んでも大丈夫なように、これ持っていなよ！」

「じゃあ･･･これ･･･」

彼女は、自分の手首に嵌めていた物を僕に差し出した。


僕がそれを受け取ると、足元の魔方陣が輝きだした。
魔法が発動したのだ。

僕は、まだ聞いていない事を思い出した。


「あ・・・お前！名前は！？・・・僕は！」

そう言った時には、既に彼女の姿は魔方陣から消えていた。
「僕は・・・トーヤだ・・・。」

彼女の姿が消えたことを確認すると、側近達は魔方陣を消す。


彼らは、武道も魔法も国でトップに入る腕をもっている。


魔法の痕跡を消すことも朝飯前だった。


「さあ、トーヤ様。そろそろ帰りますぞ？」
「今のことを王にも報告をしなくてはなりませんからね」


そして、僕たちは森を後にした。
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