Pyua love ~そして真実~
ピンポーン




部屋に鳴り響くこの音は、エレベーターが部屋の前に到着したという合図だった。




カーとモーリも指紋登録は済ませてあるから、勝手に入ってくる事が可能となっている。



二人は、彼女を客室のベッドへと寝かせる。



客室と言っても、数年前に一度だけ、父がこちらの世界へとやってきた時に一晩だけ泊まった位で、普段は全く使われていない部屋である。



「少しすれば目が覚めるでしょう。」



そう言ってカーは、管理人室へと戻っていった。




「トーヤ様、この大きさの袋しかないようです」




モーリがシモンドのオフィスへ行って来てくれたようで、ブックカバーと栞をその袋の中に入れる。


「で?オフィスに行って、仕事まで持ってきたの?」


「何件か折り返しの電話もあるようですよ?」




仕方ない、彼女が目が覚めるまで仕事を片付けるかな・・・。




僕は、部屋のパソコンに向かうと、メールや渡されたメモや付箋や書類に目を通し、順番に電話をかけていく。
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