Pyua love ~そして真実~
彼女は部屋を見回してから、僕を見つめて言った。

「坂上君のご両親って・・・どっかの社長さんだったのね」

うん、普通はその考えに至るよね。
普通はね。

でも、それは不正解。
しかし、何故この人は僕を見ても驚く表情ばかりなんだろう?
普通、こんな状況になったら、もっと違った反応すると思うんだけどなぁ。

彼女に僕の正体を明かしてみたい。

僕は、自然とそう思った。

「両親と言うより・・・俺が、だな」

「え?」

思った時には、既に口に出していた。

僕がシモンドの社長だという事を。

僕は、何を言ってしまったんだろう。
ここに連れてきたからって、いくらでも誤魔化せたじゃないか。

でも、伝えてしまったからにはもう訂正は出来ない。

僕は、手に持っている物に気付く。

「あぁ・・・これ、運んでる最中に破けてしまったようで、申し訳ない」

見覚えのない袋を渡されて、困っている顔をする彼女。

「中身は無事だ。」

僕がそういうと、彼女はようやく中身を確認する。
そして、その袋を見る。

「ありがとう。これ・・・シモンドのロゴ?」

「秘書に言ったら、会社の袋寄越すから・・・気に入らないなら、他に選ばせるけど」

そうだよね・・・もっと、女性に喜ばれそうな柄の袋の方が良いよな・・・。

独身のモーリに頼んだのが失敗だったか・・・。


「あの・・・それって、坂上君の会社みたいに聞こえるのだけど」

え?
さっき、僕言ったよね?
まさか、聞いてなかったの?

「俺の会社だし」

僕は、少し拗ねた感じでハッキリと彼女に告げる。

「ーーーーーえ?えぇぇぇえ!?」

今度は、ハッキリと驚く彼女。

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