Pyua love ~そして真実~
彼女は力が抜けたかの様に、窓ガラスに寄りかかる。

彼女の背後には、光の海が広がっている。


ドンッ

僕は気付くと、彼女の顔の横の窓ガラスに手をついていた。

ドキッ

僕と彼女の距離が近い。
少し怯えた表情で僕を見上げる彼女の姿に、何故か僕はドキッとする。

彼女が必死で僕との視線を外すと、どうやら意識は窓ガラスへと移ったようで、しきりにキョロキョロしだした。

やばい・・・吹き出しそうだ。

でも、僕はクールな坂上 冬也を演じなくちゃいけない。

「ここはGARDEN SQUARE Tokyoの51階。強化ガラスだよ。簡単には割れたりしない。」
「51階・・・。」

今はまだ、知られてはならない。

知られてはならないけど、彼女には知られたいという気持ちが湧いてくる。
これは一体なんなんだろう?

僕は、彼女に言った。

「このことは、学校で内緒にしてくれ」

「な・・・何故?」

僕は、気持ちを落ち着かせる為に息を吐く。

「面倒だろ?」

そう、この位のキャラがちょうど良い。
僕は、演じなくちゃならないんだ。

「ちょ・・・面倒って?そういえば、坂上君って皆が話しかけても、そっけない態度しているわよね?」

「ふん・・・俺は、どうせ長くは居ない」

やっぱり彼女は僕を見ている。
その事がハッキリしただけでよかった。

「それは、仕事で飛び回っているから?」
「お前が知ることではない」

これ以上いろいろ聞かれたら、いろいろと本当の事を話してしまいそうになる。

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