Pyua love ~そして真実~
ここに長居するのは無用だ。
僕は、鞄を手に取ると彼女が出て行った出口へと向かった。


「あ・・・」

廊下にいたのは、外山さんだった。

「なんだ、お前か」
「なんだ、じゃないよ。今のって?」

あぁ・・・さっきの彼女にぶつかりそうになってたのって、外山さんか・・・。

この人には、見られたくなかった。

見られたくなかった?

何故、僕はそう思う?
ダメだ・・・彼女といると、何かが狂う。

僕は、早くその場を立ち去りたい衝動に駆られる。

「え?ちょっと!?」

あ・・・でも・・・そういえば、彼女は僕の正体を誰にも明かしていない。

彼女は、僕との約束を守ってくれてるんだっけ?

僕は、振り返り彼女を見つめた。

「例の件、お前・・・黙っていてくれているのだね。ありがとう」

僕は、僕の素直な気持ちを伝えると、何故か驚く外山さんからの返事が・・・。

「私は、外山 志帆よ!お前じゃないわ!」

だった。

「そうか。それは申し訳ない。外山さん」

まさかそんな返答とは!

てっきり、どういたしまして位の返答があると思ったのに。

僕は、外山さんから見えない場所まで来ると堪えていた笑いが溢れた。

次のターゲットに会いに行くという気持ちが無くて、むしろ外山さんに対する気持ちがモヤモヤと湧き出てくる。

これは一体なんなのか。

それは日を追うごとに増して行った。
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