Pyua love ~そして真実~
放課後

転校の話しを校長に切り出しに行った僕は、当然の様に引き止められる。

どうしても残る事は出来ないのか?と

校長だけは、僕がシモンドの社長だという顔を知っている為、やはり手放したくは無いのだろう。

「申し訳ない。仕事の都合により残念ですが・・・」

校長のあのガッカリとした表情。



僕は、そのまま昇降口へと向かう。


あ・・・靴を履き替えようとして思い出す。



手帳を机に入れたままだった・・・。


仕事の予定などが書かれた、大事な手帳だった。

何故忘れてしまったんだろう。

手に取った靴を下駄箱に戻すと、僕は来た道を戻り、階段を上って行く。

どこの教室にも生徒はいなくて、外で頑張っている部活の生徒の声だけが聞こえてくる。


当然、僕の向かってる教室にも誰もいない。



僕は、そう思っていた。

< 68 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop