Pyua love ~そして真実~
「私・・・覚えてる・・・森の中の湖・・・私が泣いてる所に坂上君が現れたの・・・」



そうだ・・・あの時は、まさかあれが異世界だなんて思っていなかった。



どこか遠い外国にでも、迷い込んじゃったのかと思っていた。


ずっと、あの場所は一体どこだったんだろうって思っていたけれど。


確かに、魔法だなんてファンタジー要素がないと、あの出来事は納得がいかない。


「会いたかった・・・私・・・待ってた」

「うん・・・僕も、君に会いたかった。やっと見つけたよ」

「このブレスレットは、このペンダントの代わりに私が渡したのよね?」

「うん」

「ずっと、持ってたのね」

「僕のお守りだったよ。

そして、守り石はずっと外山さんをちゃんと守っていたんだね。

だから、あの日に車がぶつかる事もなかった。

そして、僕が気を送った時も守り石が防御していたんだ。」

「・・・気?」

「うん。守り石を探す為に、カフェで外山さんに魔法をかけた。

でも、守り石のエネルギーの反動も何も感じなかったんだ。

防御に特化してる魔法石だっていう事を失念していたよ。」

「あ!あのカフェの日なら、坂上君が去ったあとに石が熱くなって光ってたの!」

もちろん私には、何も感じなかったけれどあれは、坂上君の魔法を感じて石が反応したのだろう。

「でも・・・坂上君の髪・・・真っ黒よね」

「髪?こっちに来る前に色を変えて来たからね。

でも・・・それは、君だって・・・黒かった髪がどうして」

そう、小さい頃の写真の私は、どれも黒髪で笑ってる。

でも、いつしか私の髪は少しずつ茶色に変化していった。

原因は、自分でも分からない。

食生活が悪いとは思ってはいないのだけど・・・。

「もしかして、守り石の影響・・・?」


こればかりは、説明がつかないこと。

私達は、首をかしげるしか出来なかった。


私は、ペンダントを坂上君に差し出すと、彼はそっと受け取った。

坂上君の手に戻った石は、その瞬間に輝いた。

その光は、カフェの時以上に光ると静かに納まった。
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