Pyua love ~そして真実~
「待つんだ!!」

そこに現れたのは、黒いフードにマントを纏っていて、そのフードからはチラリとはみ出た白金の髪が風になびいている。

マントからチラリと見える腰には、剣が装備されている長身の男の姿。

男は、ゆっくりと腰の剣に手を添える。

「チッ!またお前か!・・・一旦引くぞ!」

取り立てをしていた者達が、去っていく。

親子が男に何度も頭を下げる様子を、男は優しく制する。


僕は現れた男の様子に目を奪われた。

「マーク・・・」

僕の声に反応する男は、姿を消していた弟。

シモンド国第2王子 マーク の姿だった。


黒髪の僕に一瞬怪訝な顔をするも、僕だと分かった途端に逃げるそぶりを見せる。

「待て!マーク!」

僕は一瞬でマークに近づき腕を掴む。


「よく分かったな・・・俺を捕まえに来たのだろ?裏切り者の俺を」

「違う!マークが裏切ったのには、理由があるんでしょ?話してくれよ!」


親子を助けた時の表情に悪意は見えない。

そして、こうして僕を見つめる表情にも。

マークがふと表情を和らげると、場所を移動しようと言った。

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