Pyua love ~そして真実~
「俺は、シモンドが専有している魔法石の開放を求める」




シモンドの平和と豊かさの裏側で、苦しむ人がいる。



一部の貴族や人々の豊かさは、大勢の人々の犠牲に成り立ってる。



シモンドが魔法石を国外にもっと流通したら・・・。



シモンドは確かに苦しくなるかもしれない。




「マークがやろうとしていることは、この世界を大きく変えてしまう事だよ?」

「そうだな。でも、変わるべきじゃないか?」




マークの真っ直ぐな目は、揺らぎがない。

それなら、僕も兄として。

第一王子として、決めなければいけない。

「僕も別の世界を見てきて、考えが変わったよ。

マーク・・・申し訳なかった。

マークだけに背負わせられない。」



僕の言葉に嬉しそうに笑うマークは、
昔のままだった。


僕とマークの手が、硬く握り合った。

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