【完】もっとちょうだい。
「芙祐ちゃんごめん。正直こじれるのは計算外だった……」
「ううん、本当にありがと。なんか……ほんとに、そうだよね。ヤヨはやっぱり麻里奈ちゃんが大事なんだよね」
そうじゃなきゃ、探しに行くわけないじゃん。
なんでわかんなかったんだろ。
帰り道。慶太くんが送ってくれるって言ってくれたけど、
ひとりになりたくて断った。
どうして気づかなかったんだろ。
なかなかあたしに手を出さなくて。
好きって全然言ってくれなくて。
あたしと撮った写真は、麻里奈ちゃんとのやつより全然笑ってなくて。
麻里奈ちゃんみたいな黒髪清楚な子が好みで。
麻里奈ちゃんのオムライスとおんなじの作って。
モグへのクリスマスプレゼントをすっごく喜んで。
思い返せば、全部ヒントだったじゃん。
モグへのクリスマスプレゼントって、物に対して喜んでたのかな。
もしかして
ヤヨの欲しいものを麻里奈ちゃんが“分かってくれて”買ってきた
っていう。
麻里奈ちゃんと、言わずもがな通じ合ってるってこと自体が、嬉しかったのかな。
ああ、もう。
何考えてもいいことない。
涙がぼろぼろ零れるから。
考えたくもないから。
コートのポケットで何度も震えてるスマホの電源をもう一度切った。
「ううん、本当にありがと。なんか……ほんとに、そうだよね。ヤヨはやっぱり麻里奈ちゃんが大事なんだよね」
そうじゃなきゃ、探しに行くわけないじゃん。
なんでわかんなかったんだろ。
帰り道。慶太くんが送ってくれるって言ってくれたけど、
ひとりになりたくて断った。
どうして気づかなかったんだろ。
なかなかあたしに手を出さなくて。
好きって全然言ってくれなくて。
あたしと撮った写真は、麻里奈ちゃんとのやつより全然笑ってなくて。
麻里奈ちゃんみたいな黒髪清楚な子が好みで。
麻里奈ちゃんのオムライスとおんなじの作って。
モグへのクリスマスプレゼントをすっごく喜んで。
思い返せば、全部ヒントだったじゃん。
モグへのクリスマスプレゼントって、物に対して喜んでたのかな。
もしかして
ヤヨの欲しいものを麻里奈ちゃんが“分かってくれて”買ってきた
っていう。
麻里奈ちゃんと、言わずもがな通じ合ってるってこと自体が、嬉しかったのかな。
ああ、もう。
何考えてもいいことない。
涙がぼろぼろ零れるから。
考えたくもないから。
コートのポケットで何度も震えてるスマホの電源をもう一度切った。