【完】もっとちょうだい。
「二番は二番でしょ。いや、俺わかんないんだよね。なんで彼女を大事にできないのか。付き合ってるのは芙祐ちゃんで一番好き。でも心のどこかで二番目に大事な人がいて、だからこうなるのかなって」



まじでむかつく。意味わかんない。

桜木慶太が何か言ってるけど、うまく頭に入ってこない。


喧嘩してる彼氏と会わずに、
元カレと一緒にいるって
俺には理解不能。


俺にとって、今。
第一優先は芙祐と仲直りすること。


だけど芙祐は、そうじゃないの?

……芙祐に代わってほしい。


『え……。え……?答えられないの?』


桜木慶太らしくない動揺した声色に、はっとした。


あぁ、何か質問されたっけ?
二番目がいるのかどうとか言ってたような……。
二番なんかいるかよ。頭おかしいんじゃねえの。


どうでもいい。そんな話。


「それはないと思う」


適当に答えて、芙祐に代わってもらおうと
声を出そうとしたとき。


『ごめん切るね!』


とあいつに一方的に電話を切られた。


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