【完】もっとちょうだい。
登校日の朝。
廊下を通っていたら、行く先にひとだかりを見つけた。
しかも、その真ん中にいるのが、
芙祐。
それと桜木慶太。
芙祐が1対4で、女子たちと言い争ってる。
……あいつをかばってんの?
悔しくてため息が出る。
言い争いはヒートアップしていく。
急いで人だかりに混ざって、
芙祐のすぐ後ろにたどり着いたとき、
「慶太くんみたいに優しい人、あたしは知らない!」
芙祐はそう言い切った。
下唇を噛んで、何か言ってしまいそうになるのをこらえた。
だって。
それって、きっと。
……まぎれもなく本心なんだろう。
芙祐の方へ振りかざされた女子の手を押さえて、
「お互い落ち着け」
なんて、適当なことだけ言って、
芙祐の方はなるべく見ないように立ち去った。
教室に入る前。
廊下から聞こえる声がやけに鋭く響いた。
「やっぱり芙祐ちゃん、彼氏と別れたんだ。三日くらい前、慶太と抱き合ってたもんね!」
廊下を通っていたら、行く先にひとだかりを見つけた。
しかも、その真ん中にいるのが、
芙祐。
それと桜木慶太。
芙祐が1対4で、女子たちと言い争ってる。
……あいつをかばってんの?
悔しくてため息が出る。
言い争いはヒートアップしていく。
急いで人だかりに混ざって、
芙祐のすぐ後ろにたどり着いたとき、
「慶太くんみたいに優しい人、あたしは知らない!」
芙祐はそう言い切った。
下唇を噛んで、何か言ってしまいそうになるのをこらえた。
だって。
それって、きっと。
……まぎれもなく本心なんだろう。
芙祐の方へ振りかざされた女子の手を押さえて、
「お互い落ち着け」
なんて、適当なことだけ言って、
芙祐の方はなるべく見ないように立ち去った。
教室に入る前。
廊下から聞こえる声がやけに鋭く響いた。
「やっぱり芙祐ちゃん、彼氏と別れたんだ。三日くらい前、慶太と抱き合ってたもんね!」