【完】もっとちょうだい。
「慶太くん。久しぶり」
ふわっとしたあたし好みの茶髪に、
長身細身、二重の目。
甘くてゆるーい雰囲気。
慶太くん、あたしの元カレ。
去年から今年の春まで、本気で好きだった人。
「弥生くんと喧嘩でもした?」
「んーん、ちがうよ」
「なんだ。ならよかった」
「でも乙女心は複雑なんだよ」
「芙祐ちゃんは結構わかりやすい方だと思うけどね」
うん。慶太くんはあたしのこと
なんでもオミトオシだったもんね。
「何があったか知らないけど、元気だしてね」
にこ、って笑って手を振って去っていく。
やっぱり慶太くんはやさし……
「ねぇ芙祐、慶太くん素敵とか思ってないよね?」
「藍ちゃん、そんなわけないでしょ。あたしはヤヨだけだよ」
「はぁ……」
溜息つかないでね。
藍ちゃん、本当だよ。
確かにあたしは、慶太くんと付き合いながら、ヤヨのことも気になって気になって仕方なかった前科者だからね。言い訳しにくいけど。
だけど、今のあたしは、ヤヨさえいればそれでいい。
ふわっとしたあたし好みの茶髪に、
長身細身、二重の目。
甘くてゆるーい雰囲気。
慶太くん、あたしの元カレ。
去年から今年の春まで、本気で好きだった人。
「弥生くんと喧嘩でもした?」
「んーん、ちがうよ」
「なんだ。ならよかった」
「でも乙女心は複雑なんだよ」
「芙祐ちゃんは結構わかりやすい方だと思うけどね」
うん。慶太くんはあたしのこと
なんでもオミトオシだったもんね。
「何があったか知らないけど、元気だしてね」
にこ、って笑って手を振って去っていく。
やっぱり慶太くんはやさし……
「ねぇ芙祐、慶太くん素敵とか思ってないよね?」
「藍ちゃん、そんなわけないでしょ。あたしはヤヨだけだよ」
「はぁ……」
溜息つかないでね。
藍ちゃん、本当だよ。
確かにあたしは、慶太くんと付き合いながら、ヤヨのことも気になって気になって仕方なかった前科者だからね。言い訳しにくいけど。
だけど、今のあたしは、ヤヨさえいればそれでいい。