【完】もっとちょうだい。
……今の自分の姿が、完全に
芙祐が適当に付き合ってきた元カレたちと同じに思えた。


何これ……。
まじで?

やっぱり本気で好きだったのって
俺だけだったんじゃん……。

追いかけようにも力が入らない。

持ってたスクールバッグを床にボトンと落として
その辺の椅子に座りこんだ。



好きって言ったり
甘えてきたり
あれはなんだったん?

俺ばっかり本気になって
応えてきたわけ?


芙祐が桜木慶太と別れた時は、あいつ、ずっと落ち込んでた。
えらい違いじゃん、俺のとは。


「……最悪」


机に突っ伏して、自分にしか聞こえないくらい小さな声でつぶやいた。



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