【完】もっとちょうだい。
何分くらい経ったんだろう。
未だ起き上がる気力もないけど、廊下の方から聞こえる下校していく生徒の声がさっきより増えた気がする。
この教室のドアが開く音がして、
咄嗟に起き上がろうとしたら。
「やっと見つけた」って、桜木慶太の声。
反射的に、絶対起き上がらない。
「泣いてる?」
そう言って顔をのぞきこもうとするあいつ。
「……泣いてねえよ」
視線を合わせないように起き上がった。
「芙祐ちゃんは?」
「知らない……帰ったんじゃねぇの」
「あ……そ。ってことは仲直りできたってこと?」
「……」
何も答えない俺に、桜木慶太は「ふーん」みたいな顔して、窓の外の方に目をやった。
未だ起き上がる気力もないけど、廊下の方から聞こえる下校していく生徒の声がさっきより増えた気がする。
この教室のドアが開く音がして、
咄嗟に起き上がろうとしたら。
「やっと見つけた」って、桜木慶太の声。
反射的に、絶対起き上がらない。
「泣いてる?」
そう言って顔をのぞきこもうとするあいつ。
「……泣いてねえよ」
視線を合わせないように起き上がった。
「芙祐ちゃんは?」
「知らない……帰ったんじゃねぇの」
「あ……そ。ってことは仲直りできたってこと?」
「……」
何も答えない俺に、桜木慶太は「ふーん」みたいな顔して、窓の外の方に目をやった。