【完】もっとちょうだい。
「……忙しくしてんの?」

頭の中。

弥生くんのこと忘れようって、
頑張りすぎてない?

芙祐ちゃんは少しフリーズしてから
「何が?」と口角をあげる。


「いや……ごめん。続けるね。ここの問題は……---」


芙祐ちゃんは必死なんだから
水をさしたらいけない。

それはわかってるけど、心配する方の身にもなって。


……本当にそれでいいの?って
言ってしまいそうになる。

「慶太くんすごい……余裕で合格するよ」

隣の席に座る芙祐ちゃんが明るくそう言った。
心ここにあらずな笑顔でね。


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