【完】もっとちょうだい。
「……つらいね」

迷わず頷く芙祐ちゃん。

見せてやりたい。
誰のせいで泣いてると思うんだって。

「弥生君のこと……やっぱり好きなんだね」

「受験終わるまで……”ヤ”のつくひとの名前、出さないでっていった……っ」

「そうだったね」

そうだけどさ。
見てらんないよ。
どんだけ心配してると思ってんの?


「芙祐ちゃんと弥生くんが別れた日にね。弥生くんに会ったんだよね。”芙祐ちゃんが笑って別れた”って拗ねてたよ。俺と芙祐ちゃんが別れたときみたいに泣かなかったって」


こんなに我慢して、
……こんなに泣いてんのにね。


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