【完】もっとちょうだい。
「あたしたち、これからきっといっぱい、出会いがあるでしょ?それで、今までと全然違う環境で、どんどん大人になって行って……。いつかね」


いつか。
何年先でも、何十年先でも

「『そういえば昔、付き合ってたよね』なんて、笑っちゃうみたいな。もう仲間内でも『ああそういえば』って笑っちゃう、そんな友達になれたらって……」


……あたしは、そう思うんだ。

図々しいこと言ってるってわかるよ。


だから、ぎゅっと目を閉じて言い切ったわけで。

……恐る恐る、目開けたら。


慶太くん、クスクスと笑ってる。


「……いいね、それ。俺もそうなりたい」


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