【完】もっとちょうだい。
麻里奈ちゃんがヤヨのこと好きだったら?
嫌だよ。
そんな強力すぎるライバル嫌だもん。
当たり前じゃん……。

でも、もし、
慶太くんみたいに、愛すなら。

ヤヨと麻里奈ちゃんの幸せをきっと、


「……見守る」

そう答えた、慈悲深いあたしの言葉にね
ヤヨ、めちゃくちゃ長いため息ついたから。今。



そのまま柵を背にずるずると座り込むヤヨが

「……俺、やだ……お前まじでやだ」

そんなことを小さい声で言ってた。


……いやなの?
あたしが?
嫌なんだ……。


だんだん涙で視界が歪んできた。

「……ごめん……」

涙を手で拭いながら謝ると

ヤヨはこっちを見上げて、


「なんで泣くんだよ……」

と半ば脱力気味に言う。



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