【完】もっとちょうだい。
「なぁ芙祐」

涙ぼろぼろ流してるあたしに、ヤヨが聞く。


「シンプルに聞くけど……お前俺のこと好きだった?」


なんでそんな、自信なさそうに聞くの?


慶太くんが言ってたとおり、
……本当に遊びだったって思ってるんだね。


「シンプルに聞き返すけど、ヤヨ本当に、あたしに遊ばれたと思ってるの?」


「……思いたくないけど。でもあんなに笑ってアッサリ別れられるもんなん?俺には理解できない」


「ヤヨが大事だからでしょ。だから笑ったの」

大好きだって、
涙おしこめて
心込めて無理やり笑って、
そうやって別れたんだよ。


「桜木慶太と別れたときとは、全然違うじゃん。俺はどっちかっていうと、その他彼氏の別れ方と一緒」

「それは……あたしの成長でしょ」


え。
すっごいため息聞こえた。


「意味わかんね……。受験よりむずい」


ヤヨ、ごにょごにょなんか言ってるけど、
絶対、あたしの悪口でしょ、それ。


「あと芙祐が今泣いてんのも、なんで泣いてるのかわかんない」

「ヤヨが泣かせたんでしょ」

「なんで?……もうお前本当にわかんない」

へこたれないでよ。

「あたしだって、ヤヨのことわかんないよ……」



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