【完】もっとちょうだい。

服を着てからも、
もう、全然落ち着かない。

ヤヨと、しちゃった……。

恥ずかしすぎる!!

こんなあたしはさておいて、
ヤヨはもう完全に賢者。
お茶、すすってるからね。

「芙祐は桜木慶太と、しっかり話したわけじゃん。俺も今度、麻里奈にしっかり話してきていい?もう絶対付き合わないって」

「え……」

「あ、いや。どっちがいい?どうしたら安心できる?」

「うーん……。どうしたって、たぶん気になるよ」

「まぁ、そっか」

「麻里奈ちゃんのどこが好きだったの?」

「え……」

かなり長い沈黙だけど、
そんなに深く考えなくても大丈夫だよ。
あたし、今、愛で満たされてるし。


「……見た目?」


「散々悩んでそれ?しかも、最低!」

「いやだって、もう何年もいたらそこくらいしかいいとこ見つかんないって」

……麻里奈ちゃん。あたしも性格好きじゃないけど。

でも、見た目は、やっぱ好みなんだ。

「ヤヨは清楚がすきだもんね。あたしこのままずっと真っ黒の髪で、化粧薄くしようかな」

「それはそれで、まともな男が寄ってきそうで嫌だな」

「なにそれ」

「芙祐はいいんだよ。なんでも」

「ひどい……」


なんでもいいなんて、ひどい。
ショックすぎる。


「派手でも、清楚でも、芙祐ならなんでも可愛い」

ヤヨ、こっちみない。

絶対今、
あたしと同じくらい真っ赤な顔してる。



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