【完】もっとちょうだい。
「二限終わったし、12:30なるけど。どうする?どっか食べにいく?それとも学食?」

ヤヨ、腕時計からあたしに目を移す。

うーんと、ねー……。

「学食も行ってみたいけど、行きたいとこある」

今度リコ藍と行こうって言ってたちょっとおしゃれなカフェ。
制服可愛いらしいって噂で。


リコちゃん、見たこともないくせに、そこで働きたいらしい。
だから下見に行こうって話してたんだけど。

ヤヨと先に行っててもいいよね。


「どのへん?」

「そこの女子短のすぐ傍」

「じゃ行こうか」

手、つないでね。

お店についてみたら、外観も可愛い。

「芙祐好きそう」

「好き。可愛いね」

「はいろうぜ、並ぶかも」

って、ドアを開けた瞬間。

「いらっしゃいませー」
って可愛い可愛い声がして。

それが聞こえた瞬間に
ヤヨ、
勢いよく
ドアしめた。


「入んないの?」

「やめない?ここ」

「えぇ、せっかく来たのに」

「学食、意外とめちゃくちゃおいしいよ?」

「えぇー」

そんなやり取りしていたら、
お店のドアが開いて

「やっぱりやっちゃんだぁー!それに芙祐ちゃんも」

って、それはもう
お人形みたいに可愛い
ミディアムのつやつや黒髪な女の子がね?

ひらひらしたメイド服みたいな
いやアリスの服をモノトーンにしました!みたいな。
そういう可愛い格好をして
出てきた。


「……な?やめよ?」

「麻里奈ちゃん……」

あたし、その声しか出なかった。

「ひどいなぁ、やっちゃんと芙祐ちゃんなら、サービスするよ?」



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