【完】もっとちょうだい。
お冷、運んでくる麻里奈ちゃんね。
もう悲しいくらい可愛いの、ほんとに。

麻里奈ちゃんが、「どうぞ」って
ことんとグラスを木製のテーブルに置く。

……なにもかも可愛い。
もうそこらじゅうの男性客、
麻里奈ちゃんに視線いきすぎだよ。


麻里奈ちゃん、
ちゃんとバイトしてるんだなぁ。
あたし、したことない。


実習とかテストとか
そんなのを言い訳に
まだ社会に出てない。


……なんだろう、この、
負けた感……。


「あ、やっちゃん」

そう言って麻里奈ちゃんはヤヨの髪に手を伸ばし

「サクラついてた」

ってにっこり。

ヤヨをみると「あ、はい。どうも」って、
気まずそうな返ししてる。



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