【完】もっとちょうだい。
三限、物理。
何言ってんのか全然わかんない。
せめて化学ならなぁ〜なんて
横目でヤヨをちらり。


あ、真剣。
ちゃんと授業きいてる。
真面目な横顔、かっこいいなぁ。


なーんて、
両手で頬杖つきながら
じーっと見てたら


「見ないで」


って、こっち見ないで言う。ヤヨ。
超かわいい。


「教室入っていやーな雰囲気感じたと思ったら、また授業一緒にうけてんの?」


どすん、とハルキくんがカバンをおいた。


「芙祐ちゃん隣いい?」

うん、いいけど、
距離詰めすぎ。


いいけどね、あたし、ヤヨにくっつくから。


「ハルキもっとそっち行けよ」

「ははっ、はいはい」

「芙祐も離れて。暑い」


あ、場所、戻された。
ていうか、絶対暑くない。


んま、いいや。
ハルキくんにはききたいこと
あるからね。





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