【完】もっとちょうだい。
ねぇねぇハルキくん。


袖をツンツンとひっばると
茶髪の下で彼の目は細まって
「なに?」って。
愛嬌ある笑顔だね。


「ヤヨの女の子事情知りたい」

こっそりね。耳元で会話だよ。
うん、肩は抱かなくていい。
ハルキくんの手を宙にお返ししたら、


「近いって」

って、ヤヨ。


「ヤヨは授業ちゃんと聞いてなさい」


しっしって追い払ったら
ながーいため息
いただいたよ。

「えー、弥生、女の子関係どこまで言っていいの?」


ハルキくんがあたしを飛び越えてヤヨに聞く。


ヤヨ、バッと顔を上げてハルキくんを見た。



「……え」


なにこの空気感。



< 223 / 268 >

この作品をシェア

pagetop