【完】もっとちょうだい。

やましいことでもあるの？
って、あたしきっと
ヤヨに目で言ってたからね。

ヤヨ、
「なんでも言えばいいじゃん」って、
溜息交じりにいう。


「じゃあさかのぼると……」


ハルキくん、ぼけーっと少し上の方を見ながら口を開く。


「まず入学してすぐ、サークルの女の先輩たちに囲まれて、ちやほやされるがまま入ってー」

「……ふうん」

ちやほやね。
女子にね。

ハルキくんこそこそと耳元で続ける。


「まぁ基本的にうちのサークルの女子は弥生狙いだな」

「……へぇ」

はじめて聞いた。

最近のヤヨ、あたし的に
すんごくかっこよく見えるからね？

「もてる？」ってヤヨによく聞くんだけど。
いっつも「モテるわけない」って言ってたくせに。嘘つきめ。