【完】もっとちょうだい。
ヤヨ、また、
そんなあたしのこと
じっと見つめて

「かわい」
って言いながらキスする。

唇に、
ほっぺに、
首に……。

「くすぐったい……っ」

って身をよじったら
「敏感」っていつもあたしのこと笑う。


むぅっとむくれるあたしなんかさておいて。

「ここから家近かったらなぁー……」

ってヤヨ、遠い目。


「近かったら何なの」

わかってるけど聞いてみた。

「4限サボる」

出た、不真面目。

「さぼって、どうするの?」

「言わなくてもわかってるくせに」

ヤヨ、そのままこっち見なくていいよ。
あたし、顔赤いからね。

「ヤヨ……したいの?」

「え?うん」

当然みたいに言った!


「一回、芙祐のこと思いっきりせめてみたい」

「い、いつもじゃん……」

「どこがだよ。めちゃくちゃ優しいだろ」

「や、やさしい、うん」

思い出すとまた顔が熱くなる。

何回も言うけどね?
ヤヨって、あの、その。
そういうときね?
スゴいんだよ。ほんとに。
いつもめろめろになるよ、あたし。

でもね、思うんだけど

「ヤヨって巨乳好きなのに、あたしでいいの?」

「だれがいつ好きって言ったんだよ」

「だってあたしのこと小さい小さい言ってたし。麻里奈ちゃん、胸あるし」

「なんかさぁ、体型とかじゃなくね?お前色気やばいもん」


あ、四限始まる、とか言って、
すたすたっと歩いていっちゃう。


そのちょこっと見えた横顔ね、
めっちゃ可愛かったから。照れてるの。



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