【完】もっとちょうだい。
とうちゃく。丸山公園。
桜がきれーとか思えないくらい、
なにこの大学生の山。
いや、群れね。

しかもなんか、
可愛い子とか、
オシャレな男子とか多い。
レベル高いよ。見た目の。


サークルの名前が入ったパーカー着てるってことは
一年生じゃなくて
ヤヨのサークルのひとだね。


敷地のそこらじゅうに
ブルーシートがしいてあって、
お酒の缶と瓶、どんだけあるのこれ。

「あ、きたきた!芙祐ちゃーん」

ハルキくんだ。大きく手をふってこっちこっちーって。

「ヤヨは?」

「さっきまで寝てたけど復活して、今絶好調におもしろいから!こっそり見に行こ!」

ハルキくん、超楽しそう。
あたし、シラフだからね。
そのテンションにもってけないけどごめんね。


ハルキくんに背をおされるがまま行った、
藤棚のすぐ傍。

あたし、白い目で見てるよ、ヤヨのこと。

だって、周りみんな女子だよ?
1年生とそのほかサークルのパーカー着てる女子に
囲まれちゃってんの。

はーれむですか?

なに、その
楽しそうな顔。


「芙祐ちゃん!ここら辺で聞いてよ。隠れて隠れて!」


ハルキくん、隠れた気になってるけどね、
丸見えだよ。

まぁヤヨ気づいてないけど、全然。

酔っ払いの視野って怖い。


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