【完】もっとちょうだい。
ヤヨね、あれから1.5時間後。



公園の片隅で、水いっぱい飲んでる。
結構シラフに近づいてきたよ。



「……俺なにしてたんだろ……」


精神的な理由で
顔面蒼白になるくらいね。


「ハーレムの中で彼女自慢してたね」


「今すぐ忘れて……」


あたし、震えてる。
面白すぎ、ヤヨ。


「笑うな」

「無理だよ……っ」


そんな死にたそうな顔しなくていいよ。


だってあたし、嬉しかったもん。


「自慢の彼女なの?」


あたし、にやり。


「うるさい」


「可愛いって??」


「もう黙って」


強引に引き寄せられた。


唇が重なったとおもったら
すぐに離れちゃった。


あたし、じいっとヤヨを見上げる。


「みじかいよ」


ヤヨの胸元に手をおいて、
もっかい、ちゅーーって。


「……だいすき、ヤヨ」

「……かわい」

「んんっ……。ヤヨ、お酒くさい」

「仕方ないだろ」

いいけどね、ヤヨだから。

暗がりであたしたち、ふたりきり。
ちょっといい雰囲気だよ。

指と指、からめて、
ヤヨを仰ぐ。

「一人暮らしするってほんと?」

「まぁ、いつかはしたいかな」

「そしたら行く」

「ん。家でなら芙祐も飲む?酒」



え、でもあたし
ものすごくお酒弱いんだけど。


うん、でも、

「ヤヨがなんとかしてくれるなら」

飲みたいかも。


「任せて」


なに。ニヤッとしたでしょ、いま。


「悪巧みしてるね、その顔」

ヤヨのえっち。



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