【完】もっとちょうだい。
砂浜にシートを敷いて、簡易テントを設置する。


嫌でも視界に入る水着姿は……。



「……っ」



とんでもない破壊力。
俺の心臓は今日
大丈夫なん?



「ヤヨちゃん、ちょっとテントきて?」


荷物から何かを取り出し、おいでおいでっと手招きする芙祐。



「どうした?」


俺はなるべく、できる限り
しれっと芙祐のいるテントの中に入る。




「日焼け止め塗ってほしい」



かちゃかちゃと振ってから
手渡された日焼け止め。



世の中には
初めて会った女性の体に
オイルを塗れる男がいるらしいけど



……尊敬する……。



手のひらに押し出したクリームを
芙祐の背中に塗っていく。



白い肌。
女子ってかんじの柔らかさで。



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