【完】もっとちょうだい。
「……くすぐったいよ」




もっと普通に塗って、って、
普通がわかんねーよ、初めてだから!



赤面する俺をチラ見した芙祐が
ニヤッとしたのは、見えた。




「前も塗る?」



お腹に両手を当てて笑う芙祐。


ぐっ、と噛み締める。



「……調子のんな。押し倒すぞ」



芙祐の耳元でぼそっと言ったら、
なんも言えなくなってやんの。



俺の勝ち。


って一瞬思ったんだけど。



「……まだはやいよ」


くるっと振り向いて、俺の胸に片手を置いた芙祐は
いとも簡単に唇を奪う。



「ほんとはもっと、したいけどね」



……なにを。



いやこういう時の芙祐は
たいていキスとかのことを言ってるから。
俺もうわかってるから。



泊まりだけど100パーで期待しては来なかった俺は完全に学んでる。







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