【完】もっとちょうだい。
「腕、てか肘が動きすぎ」


ヤヨは未だ的に届かないあたしの肘を抑えて、



「投げて」


耳元で低い声。



「うん」



ちょっとにやけつつ、放ったら
簡単に入っちゃったよ。



「やったぁ」


思い切りヤヨを見上げたら

ゴンッ、て、やば。



「痛……」



「ごめん、だいじょぶ?」



ヤヨの顎に頭ぶつけちゃった。



痛いのとんでけーって
あご、なでなで。


「やめろ」


ふいって、そっぽ向いてジュース飲む、ヤヨちゃん。




かわいい。
可愛い。


「すきだよ」


顔を覗き込んでそういったら



「1日何回言うんだよ」


呆れてるけど。
照れてるくせに。



「何度でも」


「言いすぎ」


って、ひどくない?


「じゃあもう言わない」


ヤヨのばか。



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