【完】もっとちょうだい。
「うま……。初期の芙祐ってなんだったんだよ」



ヤヨが引いてるけどね。
あたしも結構引いてるよ。


なんかコツを掴んじゃって、ヤヨといい勝負できてるんだよ。



「ダーツ楽しいね」


「それはよかった」


「あ、次ビリヤードしようよ」



「いいけど……やっぱだめだわ。カラオケにしよ」



「えー、なんで」



「駄目」



わかった、ヤヨ苦手なんだビリヤード。


「あたし初めてだから下手でも大丈夫だよ?」



「なに勝手に下手認定してんだよ」



ヤヨはダーツを引っこ抜いてお片づけ。



「見てみろよ」


ヤヨがビリヤードの方を見ろっていうから見てみたけど


みんな楽しそうに熱戦中だよ?


「うん、何?」


「芙祐の服短いから。駄目」



あたしの服?ワンピ?


「あ、そっか」


あの体制になったら
パンツ見えるから。


……そう言えばいいのに。



「わかった。ふふ」


照れ屋ですね。弥生くん。



「あたしの見てもいいのヤヨだけだもんね?」



にひひ、にやけたら



「ばかじゃねえの」


って、置いてかれた。
耳赤いの見えてるんだよ。



「待って」


腕、ぎゅー。
離さないよ。



「す」


きって、またいいそうになった。危ない。
もう言ってやんないんだった。



「す?」


ヤヨはそういって横目であたしをジロリ。



「す、す……スープとか、飲みたいね」


「はは、何それ」


あ、笑った。

好き。


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