【完】もっとちょうだい。
とりあえず、あたしの家に入って、部屋の暖房ガンガンにいれた。寒いのムリ。


「じゃあなに、毎年クリスマス1人だったのか?」



「んー、意外とね、1人だったことはないかな」



「……だろうな」



あ、呆れられた。


だって一応、クリスマスにあわせて彼氏作る努力はしてたからね。



去年は、慶太くんが泊まりに来てくれて、それで……。



はじめて、した。最後まで。



「ヤヨも……泊まる?」


「え?」


「なんでもない」



「……」



ヤヨは無言でマフラーとって、コートを脱いだ。
ハンガーにかけてあげてたら、



「ヤヨ"も"って何。誰か泊まったってこと?」



低ーい声、小さいけど聞こえたよ。


「あたしそんなこと言った?」


細かいな。AAのA型。


「まぁいいけど」


ここで話終わらせられるのは、よくないんだけど。


泊まって欲しいもん。


多分、ヤヨはこう言えば泊まってくれる。


「泊まってくれた人はいるよ」



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