【完】もっとちょうだい。
しばらく見ていたテレビもつまんなくなってきたから、二人で芙祐の部屋に行く。



アイボリーのふわふわしたラグの上に座っていると、突然斜め後ろからドスンと衝撃が……。



「いきなりしがみつくな!」


「ぜぇったい離さない」


腕にしがみつく芙祐を
剥がそうとするけど、無理。


「こうしないとヤヨまた逃げるかもしれないじゃん」



そう言うと、腕を掴んだまま膝立ちして顔を近づけてきた。




「好きって言って」




上目遣いで見つめられる。


眉を少ししかめて、口は不機嫌そうな若干のへの字。


……可愛いんだけど。その顔。



結構努力したつもりだけど、



「好………………」



……言いづら。


とっさに目を逸らした。



沈黙の後、芙祐は怒った顔のまま、


「メリークリスマス」


と言って、


「痛っ」



唇をがぶりと噛みつかれた。


「何噛んでんだよ……」


かなりびびったんだけど。


「知らない、ヤヨなんか」



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