【完】もっとちょうだい。
「……んっ」



ヤヨの手があと少しで胸に触れるってとき
恥ずかしくて両手でガードした。




ヤヨは、手を止めて、
そんなあたしを見下ろす。



「続ける?やめる?……選んで」



眉間に薄くしわを寄せて
はぁ、って、ため息をこぼすヤヨ。



「……っ」


ヤヨが、セクシーで。


ドキドキが止まらないどころか
加速しすぎて
おかしくなりそう。



「どうすんの」



あたしの頬に指を添えて
ヤヨの唇はあたしの
頬と、唇と、
それに、首すじ。
優しくちゅって、何回も。




「早く選んで」


ヤヨの唇が。
あたしに触れる。


もうそれは変な声が出て、
恥ずかしくて恥ずかしくて。



ヤヨに聞かれるってのが
ものすごく恥ずかしくて。




多分顔が真っ赤になってる。
息がおかしくなりそう。



次に変な声が出る前に



「もうやめて!」


って言ってた
あたし。




あたしに覆いかぶさるようにしていたヤヨはぴたりと手を止めて、


どさっとあたしの隣に寝転んだ。




「この、あくま……」












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