いつから
淡々と
毎日毎日
帰り道に目を合わせる2人
バス停の前で
携帯片手に退屈そうな君を
いつも見つけては
何も言えずに通り過ぎる
そんな
日常の高鳴り
私が少し歩き振り返った頃には
バスが君の前にとまって 私の前から君を連れ去っていく
「また今日もダメだったね」
そう言って連れ去っていく
君がバスに一歩踏み入れる瞬間
いつも視線を合わせて
胸が少しだけ苦しくなって
目をそらす
2人
今は運命だと願っていたいの
君と出会う事は決まっていたことだと
これはそう とても幸せなことで
いつか2人はその手を握り合って
もう離れることはない
漫画のように 赤い糸の恋
冬の寒い日に
いつものように寒い日に
バス停の前で寒そうに
マフラーに顔をうずめる君がいた
君は何かを確かめるように私を見て
「あの、名前…聞いてもいいですか?」
そうつぶやいて
少しぎこちなさそうに頭をかいていた
どこの学校に通っているの?
好きな食べ物は?
好きなアーティストは?
何の教科が得意なの?
部活は何をやってるの?
兄弟はいるの?
それからは
あの隙間だらけの視線を埋めるように
たくさん たくさん
君と話をした
たくさん たくさん
君を知って
たくさん たくさん
幸せを積み重ねた
月日は今までよりずっと早く流れた
バス停の前で
君を迎えにくるバスが来るまで
私達は他愛ない話をずっとしていた
君と出会う事は
きっと決まっていたんだ
出会えてよかった
明日もこれからもたくさん
話していようね
「お前が好きだ」
これは
決まっていた恋だ