空色(全242話)
ぴちょん……
ぴちょん…………
膝に感じる生暖かい十和の血。
涙が落ちて、悲しい音がする。
【好きだよ】
あの時、最後の会話になるのだと覚悟した。
でも違う。
こんな結末は、望んでいなかった……
『すぐに輸血の準備を!!』
いつも笑ってた十和の顔は、青白く、
ただ目を閉じ、小さく息をしていた。
『血液型は? 同じ人はいますか!?』
血液型……?
AB?
それともO?
【アユに言った事は全部
本当の気持ちだった】
十和は嘘をつかない。
【何件も病院を変えて
血液を調べたよ】
私の目を真っ直ぐに見て、話してくれた。
【AB型の父から
O型の俺は生まれない】
私は、十和を信じる。
『O型です。 私と、同じ血液型です』