空色(全242話)
タイムリミットまで後十数分。
マットプレイ。
ベッドでの全身リップ。
そしてフェラでのラストを要求してきた。
『いい、いいよ、アユちゃんッ』
いい歳して袋井は身体を震わせ声を上げる。
もう限界が近いのだろう。
奴のアレははち切れんばかりに膨らんでいた。
『お願いッ 顔、で……!』
袋井は切れ切れに言うと私の髪を掴み、股から離す。
そして自分の手で思い切りシゴき始めた。
方向は私の……顔?
『ちょッ、やめ……』
「やめて」
その全てを言い終わるより早く。
袋井の熱い欲望は私に向かって発せられた。
少し硬くドロッとした感触。
久しぶりなのか濃くて硬くて生温くて、
気持ち悪い……
『ごめんねアユちゃん。 これ』
タオルで顔を拭く私に袋井は紙切れを差し出す。
『何?』
『今日の御礼。 少ないけど』
よく見ればそれは一万円札。
二枚あるから二万円だ。
『またよろしくね?』
さぞかしスッキリしただろう。
晴々した笑顔を見せる袋井。
袋井が去った後、ベッドに置かれたお金をそっと手に取った。
二万円も、何に使おう。
服でも買おうか?
それともバッグ?
『……うぅ……』
そんな気になれない。
情けない。
悔しい。
『く、ぅ……ッ』
生温い涙は頬を伝い、手にしていた一万円札に落ちた。
しかし新しいソレは涙を弾いて膝に落とす。
私って何?
私って何なの?
こんな場所でオヤジの身体触って喜ばして、
こんな、人間とも思われないような扱い受けて、
こんな事して一体、何になるというのだろう。
意味の無さに涙が止まらない……