おひとつ、屋根の下ー従兄弟と私の同居生活ー


この週の土日はテスト週間ということで、高等部も中等部も部活は休みだった。
つまり達久が家にいる。


けれど反対に今日は、晴子さんは仕事だし、小学校で先生をしている叔父さんもまた休日出勤だ。


土曜日の朗らかな昼の陽気が、窓越しにも伝わってくる。
梅雨明けはまだ発表されていないけれど、今日は一日中晴れるらしい。


「達久、お昼どうする?」


ドア越しに尋ねると、達久はあくびをしながらも廊下に出てきた。


「あんた今起きたの」


「あー、まあ。いま何時」


「もう12時」


まじかよ、と呟いて、私の脇を通って階段を降りていく。
後に続いて一階に降りると、キッチンで冷蔵庫を覗いている背中が見える。


「なんか買ってこようか」


確か冷蔵庫には目ぼしいものが何も入ってなかったはずだ。
そう思って声をかけると、達久はこちらを振り向いた。


「俺もいく」


そうは言ってもコンビニに行くだけなのだけど、着替えてから達久と連れ立って外に出る。小学生の頃、お互い親がいない休日は、よく一緒にコンビニに行ったことを思い出す。


「暑……」


家の中からだとわからなかったけれど、もう7月ということもあってジワジワと焼け付くように日が照っている。
梅雨が明けたら本格的に夏が来るんだ。



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