どんな君でも愛してる
 朝のキスの件もあり咄嗟に身構えた瑠璃に対して、クスクスと笑いながら掴んだ手の離そうとはせず、手に何か紙切れのようなものを忍ばせてきた。

「瑠璃、身長低いんだから、そんな胸があいたドレス着ると、丸見えだよ?……Eカップ。」

 瑠璃にしか聞こえないように、そう呟くと待っている3人の男性の方に向かっていった。

「…なんですって…!!」

 手にある紙切れをグシャリと潰しながら真っ赤になりながら怒りを露にした。

 プンプン怒りながらグシャリと潰した紙切れを広げると、ードレスと下着預かってるよーと書いてあり、朝、荷物を彼の部屋に忘れたことを思いだし、ため息をついた。

「あらあら、大変ね。」

 フフフと意味ありげに笑う奏子に気をとられて瑠璃は気が付かなかったが、女性陣の中に、瑠璃を異様に睨み付ける女性がいることを。

 その女性は、響介たちの写真を撮るふりして、瑠璃の写真を撮って誰かにメールを送る。

ー目障りな女がいるわ。調べて。ー

 すぐに相手からの返信がきた。

ーこいつ、俺、知ってるわ。まかせて。ー

 その返信を受け、女は満足そうに微笑んで、瑠璃を眺めた。
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