どんな君でも愛してる
 招き入れられた部屋は、響介や奏子の部屋とは違い、こじんまりとしミニキッチンとIHコンロが備え付けてある部屋で近くにはソファーやベットがあるワンルームの部屋だった。

「すみません、紅茶しかなくて。」

 瑠璃は、ニコリともせずに、ソファーに座る響介の目の前に紅茶をおく。

 響介に対する瑠璃の態度は、実に新鮮だ。大抵の女性は、微笑みを浮かべてさりげなく触れてきたりするものだ。

「泊めていただいて、服まで調達していただいて、お礼も言わず……ありがとうございます。」

「いや、構わないよ。」

 響介は、近くに立っている瑠璃をみる。瑠璃は、先程barでみた化粧を落としており、あどけない少女のように見える。リラックスしていたのであろう、肌触りがよさそうな薄手のモコモコのパジャマを着ている。

 ふとベットが目に入る。

 女の口を割らせるのは、ベットが一番。

 甘い言葉で誘い込み、誉めて……体に快感を教えて……。今までそんな誘い方や方法を邪道だと考えていたが、響介は行動に移した。

 瑠璃の腕を掴むと、驚いた瑠璃の体がびくりとした。

 びっくりした拍子に思いっきり引っ張ったことで、瑠璃は響介に抱きつく形で倒れこんだ。

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