どんな君でも愛してる
 響介はパジャマの隙間から手を入れ、腹のあたりを触ったところで、昨夜、着替えさせた時に腹から肋骨にかけて手術のあとがあること思い出した。

 何も言わないが不安そうに響介を瑠璃が見ているのが伝わってくる。

「……この傷痕に、キスしてもいい?」

 響介の問にハッとするが、すぐに瑠璃は恥ずかしそうに瞳を逸らし、小さく頷いたような気がした響介は、パジャマのボタンを下からゆっくりひとつひとつ外した。
 
 手でボタンを外しながら、傷痕に器用にキスしていくと、"んっ……。"と可愛い声が漏れだした。

 ふいに溢れた瑠璃の声に、響介は、これが終わった時に、彼女は口を悪だろうと確信した。

(案外、簡単だ。彼女の弱点はこの傷痕だな。)

 心の中でそう思っていた。

「瑠璃……。」

 瞳を合わせないようにしている瑠璃の顔を、自分の方に向かせると、また、優しくキスをする。そして、見つめあう。

 そうしてると、言いにくそうにしながら呟いた。

「……脱いで……欲しい。」

 服を着た響介の胸当たりを触りながら、控えめに言う瑠璃は、あまり経験がないようにみえた。

 少し照れながら言葉を放つ瑠璃に、触発されたように、響介はシャツもズボンも脱ぎ捨て、下着だけになると瑠璃の服も脱がしにかかる。
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