どんな君でも愛してる
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 二人が眠りについたのは明け方だった。
 
 瑠璃が可愛い声をだし敏感に反応するたび、響介の攻撃は止むことなく執拗に攻められ、何度も何度も、声が枯れるまで抱かれた。

 口を割らせるつもりだった響介は、瑠璃を抱き締め大切な恋人みたいな扱いをしている。

 ふと、喉が乾き目が冷めた瑠璃は、響介を起こさないように、腕の隙間から出て、ベットの近くにあるチェストの温くなった水を飲んだ。

 響介と顔を逢わせるのが恥ずかしい瑠璃は、水を飲むとすぐにベットに入りなおし、瑠璃の方を向いて寝ている響介に背中を向ける感じで過ごした。

 それでも響介が気になる瑠璃は、こそっと向き直っては寝顔をみて、夜の出来事を思い出しては顔を赤らめる。

 暫くすると、携帯の尾音が鳴りはじめ響介が目を醒ますのを感じて瑠璃はとっさに寝たふりをした。

「……もしもし。……眠たいんだけど。」

『機嫌わりーな。』

「朝っぱらから、もう少し寝かせろよ。」

『別に女といるわけじゃないし、いいだろーが。』

「………。」

 響介は、ゆっくり瑠璃をみて、寝ていることを確認した。

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