どんな君でも愛してる
 会員制ラウンジーENPERORー

 エレベーターを降りると、そこはまだ夕方だと言うのにネオンでキラキラしており一瞬夜のラスベガスに来たように、まばゆい光を放っている場所で、瑠璃は後ずさりする。

 中に入るのに躊躇していると、中から年輩の男性が執事服のような格好で現れたのだ。

「オーナーの安堂です。ここのスタッフは皆様愛称で呼ばれてます。あなたのことはなんと呼びましょうか。」

 唐突に現れた、そんなことを言われたが瑠璃はニコリと笑いかけた。

「ルリーで、お願いします。」

 瑠璃は、ヨーロッパで生活している間は仲間にはルリーと呼ばれ、親しまれていたのだ。だから敢えて知り合いのいないここでも、そう呼んで欲しくて、お願いした。

 その後、安堂からーENPERORーについて説明があった。

 言われるまでここがVIP御用達とは知らなかった。あのゴールドのカードキーを持つ人物か、その人物の親しい人しかここには来れないこと。

 ミドルフロアとアッパーフロアと呼ばれるフロアが、ここには存在するらしいが、ミドルフロアの人達はーENPERORーより下の階にあるラウンジにいき、ここには滅多に来れないため、このーENPERORーに来れるのは選ばれしアッパーフロアの人間だけ。


 
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