どんな君でも愛してる
*******

 恥ずかしさのあまり皆の顔を見れない瑠璃の手を引き、初めて抱き合った瑠璃の部屋に、二人は雪崩れこんだ。

 総帥は何もかもわかっていたようだ。

 二人の水曜日の夜の関係や、響介が婚約していないこと。

 浩一が会社の金に手を着け、めぐみが肩替わりするために響介との間を取り持つ約束をしていたことや、二人が共謀して情報を流していたこと。

 東雲家には、代々家庭料理が作れる女性を花嫁に迎えるしきたりな様なものがあり、めぐみを試したりしたようだ。

 二人が出て行った後のsweetroomに残されたみんなは、響介と瑠璃の話題で勝手に盛り上がったようだと、後日、奏子に聞かされたのだ。

「……瑠璃っ。」

「んっ!…あっ……んっ。」

 噛みつくようなキスをされながら、ベッドで響介に見下ろされながら至近距離で見つめられる。

「どんな君でも愛してる…。」 

「……私も。」

 またさらに唇が重なり、二人は深いところまで落ちていく。

あなたが普通の人でも、たとえ雲の上の人でも……。

どんな君でも愛してる。

お前とは違うん世界の人間なんて、俺は思わない。

どんな俺でも愛して欲しい。

 二人はそう言い合いながら、普通なら決して交わることのない人生が交わり、これから続く永遠の愛を手に入れることとなる。

 瑠璃に対して嘘をつけずに、キョウであることを打ち明けたのは、二人で愛を確かめあったあとだった。

                      (完)
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