どんな君でも愛してる
「あっ、だからか、あの三人組は慌ててたのね……。」

 瑠璃は、安堂には聞こえないように呟き一人納得した。

 あの三人組は、自分が出したゴールドのカードキーに驚いたんだ、まさか、冷やかしていた人間がカードキーを持ってるなんて夢にも思わず。

「ルリー。ここが控え室、ドレスから装飾品まで揃ってるから、自分で準備出来るね?出来なければメイクを呼ぶように手配するけど。」

「大丈夫です。自分で出来ますから。」

「分かった。じゃ準備できたらおいで。」

 そう言い残し安堂は、控え室を出ていった。

 ラウンジのピアニストだけじゃなく、ピアニストはドレスでピアノを弾く。腕から指にかけてのシルエットを見せるように弾き方を見せるため、袖のあるものはあまり着ない。

 そのため、八木に聞かれたときドレスに対して何の注文をつけなかったことに今更ながら後悔した。

 ストラップレスのドレスが多いのだ。

 それもこんなに揃えなくてもと思うくらい、ドレスにジュエリー、髪飾り、靴と多種多様なものがたくさん準備されていて、自分は、とんでもないところに来たのじゃないかと思ってしまう。

ーENPERORーの外装はラスベガスみたいに光輝いているが、中に足を入れればそこは大理石で埋め尽くされまた違うリッチな大人な雰囲気で、スカイビューな前面窓ガラスで、夜景を一望できる、まさに、別世界。
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