どんな君でも愛してる
mission2 ーキョウと言う男ーについて
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 雰囲気に圧倒されたのは本の数時間。

 慣れてしまえば不思議なもので、ここに自分が居てピアノを弾くのに違和感を感じなくなっていた。

 お洒落ラウンジで弾くピアノはすごく気持ちのよいものだった。

 来る人は、この場所に違和感がないほどキラキラしている人ばかりで、マナーの悪いひとはおらず、ピアノを弾いてる間は耳を澄ませて聞く人ばかり。

 コンサートで弾いている錯覚に陥る。

 何曲か弾き終ると、瑠璃は、barカウンターに飲み物を取りに行った。

「お水ちょうだい。」

 カウンターの中にいるキョウに言うと、すぐさまに水が出てきた。barのソファーにいる人物たちの様子を見るためカウンターに肘を着きながら眺めているとキョウはつぶやいた。

「ルリーは、俺のこと興味ないの?」

「えっ?」

「んっ?こんないい男なのに、ホールばかりみてるから。」

「……どんな人たちがいるのか見てただけ。弾いてるとお客の顔を見れないじゃない?…それにあなたはさっき自己紹介したもの。」

「ってっきり、金持ちの男、吟味してるのかと思って。」

 瑠璃は、キョウをジロリと睨み付ける。

 

 
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